南相馬の未来を熱く語ろうということで、三つの対話の場を設けました。
対話1: みんなでつくる未来デザイン 3月31日 13:30~15:15
対話2: 共生・協創で拡がる支援の輪 3月31日 15:30~17:15
対話3: みんなで未来への対話をしよう 4月 2日 18:00~20:00
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31日の対話2:「共生・協創で拡がる支援の輪」をレポートします。
【趣旨】
共生・協創によるネットワークで、支援の輪をいかに広げるか?
岡山県美作市の棚田再生や大阪のL.L.P などの実践例もふまえて皆で考え、次なる行動へのきっかけとします。
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プレゼン1: 杉内清繁さん
(原町有機稲作研究会)
「南相馬で取り組んでみたいこと」
・
除染をしながら農業再生をしていく
菜種やひまわりを育てて油を搾って活かしていく
・チェルノブイリで作付したひまわりは油になる量が少ない
⇒
日本の土壌に合って、油もたくさん取れる品種が向いている
・ひまわりの除染に対する効果はそれほど多くないと言われているが、
収穫時期の影響もある。 ⇒花弁が熟して黄色から黒になり、
支柱に枯れるぐらいまで置いておく移行が多い。
・大豆の油を搾るのは難しい。⇒
搾油機を研究する必要がある
・菜種を作付した後に、水稲を作付して、実験をしていく。
・循環型の農業により、除染しながら産業の再生に繋げていきたい
・搾油後の残渣も熱エネルギーに変換していきたい
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プレゼン2: 田中文夫さん (協創
L.L.P.)
「信頼を見えるカタチに」
↑ ↑ クリックするとプレゼン資料が開きます。
【復興に向けて】
・「縁脈」が大切
・すべてはこれからだ
・『被災地の未来』=『自分の未来』
~被災地の復興をすることが自分たちの未来を復興することにつながる
~自分の現場で自分の未来を復興することが被災地の復興につながる
・復興にはコミュニケーションが必要だ!
「信頼」を見えるカタチにするコミュニケーション ~発信しなければ誰にも伝わらない。
【協創
L.L.P.】
=Limited
Liablity
Partnership
[有限責任事業組合]
・仲間と「協」力しあって、
新しい時代を「創」造する
実践型社会起業家が集まる
・基本理念
楽しいことは正しいこと。
ただし楽なことではない。
利他的欲求にしたがって自分の利を考えよ
持続せよ。
「オモロイ」は必ず「カタチ」になる
・「国家 ⇒
地域行政 ⇒ 住民」「会社⇒ 指示命令 ⇒ 社員」
というタテの時代は終わった
・これからは「ヨコの時代」が始まる
オープンでフラットな関係を基に有為な人材の
自由な発想と組み合わせにより事を運ぶ方法。
・L.L.P.という四角四面な言葉を「るるぷう」と置き換える。
るるぷう= オープン&フルフラット
【NPO法人
英田上山棚田団】
・限界集落なんて言わせない
・本をみんなでつくった
・百のアカデミズムよりひとつの現場!
~まず現場ありき。 現場のないコミュニケーションは虚しい。
・アホが動けばカシコも動く
カシコ=お利口さん、地域行政、国家、アカデミズム
⇒あほだからこそできる信頼の拡大再生産
・Merry
Project とコラボ
アートディレクター
水谷孝次さんとの協働で、
被災地の子どもたちに希望の笑顔を咲かそう
・みんなの達成感が自分の達成感になる統治
≪自立≫した個の群れの連帯統治
「君あり、故に我あり。」
・復興には「関係性」の再創造が大切だ!
被災地 ・・・・・・
非被災地 [物理的精神的距離]
| 自分 |
あなた ・・・・・・ わたしたち [日常的持続性]
※
「物理的精神的距離」を「日常的に持続する関係性」で埋めることができる
⇒
自分たちの日常性の中に被災地への想いを取り込むこと・・・それぞれの日常性の中で
想像力と創造力だけは失わずに、
「足が絡まっても踊り続ける」のが
信頼を見えるカタチにする第一歩だ。
とにかく動くこと。
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プレゼン3: 畑田昌輝さん (英田上山棚田団)
『笑顔があればなんでもできる、笑顔でやればなんでもできる』
〇自己紹介
・笑顔が大好きなんです
・大阪日本橋でメイドカフェを経営してます
キッチンでオムライスつくってます
・大阪なんばで薬膳カレーを経営してたりもします
そのかたわら
・協創LLPで活動している
・Takoyakist
〇協創LLPとは
楽しいこと、おもしろいことが好きで
前向きにしか進まない
年齢、性別、職業がバラバラな集団です
〇ここでは、誰かがなにかをしたいと
手を上げると
それがプロジェクトになります
賛同する仲間が協力しプロジェクトが
動き出します
〇NPO法人 英田上山棚田団
・協創LLP
プロジェクトの一つとして発足
・運営拠点
: 大阪市西成区天下茶屋)
・2007年9月に活動開始 ⇒
2012年3月までに 100回の活動
延べ参加人数≒3000人
・活動拠点: 岡山県美作市上山
〇棚田再生
・2007年からスタート
・一つ目の棚田からスタート
・竹藪に覆われていた古民家も再生 ⇒イチョウ庵になった
・耕作面積: 2011年
31枚 147.8アール (1町4反7.8畝)
※全部で
8270枚の棚田がある
〇子ども未来研究所
自分で決めて、行動し、自分で結果を作り出す
子どもの決める力、自分を認める力を応援しています。
〇関西グロースセミナー
夏は北海道の大自然に抱かれ、 冬は福島県磐梯山の深い雪に見守られながら、
子どもたちが 「自分が主人公」 を体験する、小中学生向け野外体験学習です。
〇 activation producer
= 活性させるのが活性化するのが好きなんです=
活性に必要不可欠なものは
笑顔なんです。
経済がどうこう言ったって
人が活性しないと地域は活性しない
みんなが笑顔になれる環境
これが一番必要なんです
【笑顔】
〇
たこ焼きは笑顔をつくるTOOLです。
〇
笑顔って創ってもらうものではなく
自らなるものなんです
笑顔は自分のなかから出すもんです
〇楽しいから笑顔になるんじゃなくて
笑顔だから楽しくなるんです
【おもろい=楽しいこと】
〇眉間にシワ寄せたものはしんどくなって長続きしない。
〇おもろいは必ずカタチになる
・日本橋でメイドさん使って掃除をやって来た
~月に一回の活動で 29回やってる ⇒だんだん本物になっていく
・日本橋、都会のど真ん中でゲリラ餅つき
~月に一回の活動で
14回目
〇難しい顔して、険しい討論も大切ですが
納得のいかない状況、
どうしようもない現状があるなかでも
笑顔があればなんでもできる
【共感】
〇正しいか正しくないか、難しいか難しくないかは人によって異なる。
〇感覚の共有
感覚って目に見えないから
その感覚を共有が大事なんです
難しい会話より
楽しい会話のほうが感覚の共有が簡単
〇「おもろい=楽しい」会話がたいせつ
〇一人ではできない
仲間がいるからできるんです。
◎みんなで笑顔で乗り越えましょう
笑顔があればなんでもできる、
笑顔でやればなんでもできる
笑顔でいればなんでも叶う
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プレゼン4: 須藤栄治さん (つながろう南相馬代表)
「南相馬ダイアログにかける想い」
〇つながろう南相馬の活動
・原発事故の後、原発や行政に対する不満、いろいろネガティブなものが出てきて疲弊した。
でも、そうではなくて、プラスのことも打ち出していきたいと思い、
「ありがとうからはじめよう」という活動をスタートした。
〇コンセプト 「サクラ・プログレス」
震災から半年ほどが経って、もっと前に向いて動いていきたいと考える15団体ほどが集まり、
次のステップとして「南相馬ダイアログ」を開き、未来の話をしていくことになった。
『原発から悪いものが出ているが、南相馬市からは良いものをだしていこうよ』というのがこの活動の趣旨である。
〇新しい時代感覚
これまでのバブル経済以降の価値観は崩壊している。
震災を経験して、時代はがらりと変わると感じている。
日本全国にそう考えている人たちはたくさんいると思う。
自分たちが新しいものをつくっていく、なにか生み出そうと考えている。
〇視野を広げて考えよう!
フクシマ=恐怖というように周囲から視られている感がある。福島以北は汚染地域と思われている。
これを逆手にとれば、注目されている南相馬から発信していくことができる。世界に発信できると思う。
〇若い人が頑張ることで周りが応援していく環境をつくりたい
未来について考える、これがないと新しい日本はつくれない。
(偉い人や学者が前に出てきてそれで終わりではいけない)
〇被災地の見かた
南相馬はよそからみると「可哀相だね」となるが、中に居る人間は
すべてが可哀相ということでもない。
自分たちには、街に対する愛着や愛情、絶対的にプラスのものがある。
〇亡くなった人たちのことを忘れて欲しくない。
この方たちのおかげで自分たちはこういう街をつくれたという想いを大事にしなければならない。
命と向き合っていくことが大切。
〇原子力災害は「生きる」ことと向き合うことに繋がっている。
人間性だったり人の魅力だったり、新たな魅力が生まれると感じている
〇シビックプライド
街に対する愛着と誇りを大切にしていきたい。
自分たちが頑張ることで、南相馬のみんなが誇りを持って生きて行けるようになりたい。
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対話
〇笑顔をつくるにはとにかく前向きに考えること。
なんでも考え方を変えれば笑顔になれる。
道でこけた時にも、「なんてついてないんだ!」と思うか、
「ちょっと手が汚れただけで怪我しないで済んだ」と思うかで気持ちが変わる。
自分の中で楽しいというモードをつくれば良い
自分でコントロールできるようになる。
〇協創LLPのマネジメントは
あまりコントロールしないことが良いと思う
誰かがパスを出したら、他の人が受けてやっていく
あまり、モノゴトを考えずに、それぞれが動いていけば良い
LLPはフラットな構造
・部長、課長、などの階層がない
・「ボブ」とか「マサやん」とか、略称で呼び合っている
〇極意は笑顔とオモロイにある
〇対話がたいせつ
・反論する会話は面白くない
・あかん、あかんという言葉を発するとそこから先に進めない
〇ある活動に参加するかしないかはその人の自由
「オモロイ」がたいせつ。
正しいか正しくないかの討論はケンカになって、先に進まない。
皆は良くしたいと思っているのだから、建設的な会話がたいせつ。
はっしんしないと情報は回ってこない。
〇誰かが走り出して一緒に行けばよい
・渡り鳥も一番先がしんどいが、交替しながら一緒にやっていく
・それぞれの得意なところをカバーしながら進めていけば良い
〇これまで南相馬では、田舎独特の育ちをしていたので、
あまり前に出ていこうとはしていなかった。
それが、震災を契機として、皆が繋がりだした。
〇
震災で日本が変わると思った
皆がもっと否定的だと思っていたが、みななんとかしようと前向きにやっている。
遠くに離れているから分かることもある。
それが来てみることで、繋がることが大切。
〇
良い言葉のパスは良い結果を生む。
悪い言葉のパスは続かない、繋がらない。
〇みんなでやればできちゃう。がんばれる。
〇やっていくしかない!!
おもろい、笑顔を大切に!!
〇LLPをじっくり覗いて勉強してみたい
⇒ということで、 最後に、みんなで LLP=「るるぷぅぅぅ」をやりました。

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■対話で感じたこと
問い:あなたが思う未来を実現するために、どんなことに取組んだらよいと思いますか?
〇 共感しあえる、できる地域づくり。 これは滋賀も同じことだと思います。 [つっつん]
〇 笑顔を拡げる [まさやん]
〇 情報発信 [ボブ原田]
〇 行政と住民を結び新しい事業を育てる
「新たなる公共」の創設・運用 [下川正和]
〇 新しいエネルギーを使った電気の地産地消に取組む!
全面的に南相馬市の名前を打ち出し、利用し、マイナスイメージの南相馬市の(安全な)地場産品の販売を展開する
[安藤博之]
〇 自然エネルギーの促進
〇 NPO法人が主体となって行政当局を動かすことが一番だ。
行政を動かすための努力をお願いしたい。 [天野宏]
〇 社会起業家集団地域 [熊野英介]
〇 除染・農業の再生、少しずつ積み上げる中で、発見を大切に育てていき、
笑顔が回る、つながりができていくと良い未来が近づくと感じました。
”頼って大きく” ではなく、”小さく自ら”
”おもろい” にかわる南相馬版”おもろい”を見つけて欲しいと思いました。
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このような対話をしながら、みんなで未来をつくっていけたら良いと思います。継続して対話の場を設けていきますので、よろしくお願いいたします。■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□