2月18・19日の二日間、南相馬ダイアログフェスティバルが開催されました。 主催は「南相馬ダイアログ実行委員会」・・・南相馬を主とした福島県浜通りの市民活動団体15グループが参加しています。 共催は「南相馬市教育委員会/アースデイ東京/東北コミュニティの未来・志縁プロジェクト」 ということで、当プロジェクトも企画や運営に協力しました。 ・日時: 2012年2月18日(土) 13:30~20:00 2月19日(日) 10:00~18:00 ・場所: 南相馬市民会館 ゆめはっと ・参加者数: 約1,500名 『南相馬ダイアログフェスティバル』 ~みんなで未来への対話をしよう~ 趣旨
そして、いまや世界から注目されている南相馬の市民が“これからの未来”について考え、動き出していることを世界に伝えることで、その夢も現実になっていくのです! ------ フェスティバルの記念写真(多彩な皆さんが集まりました(#^^#)) ------------------------------ □みんなの想いをつなげるツリーづくり
≪ねらい≫ ・未来をどんな暮らし、社会にしたいか、自分たちの想いを集めて、紡いでいく ・子ども、若者の声を上手に引き出して、組み立てていく ・震災・原発事故を経て、新たな社会のあり方を考える 「どんな未来にしたいですか」という想いを桜の花びらに、 「なにが一番知りたいですか」をケヤキの葉っぱに、 それぞれ書いて、大きなツリーをつくりました。 「いちばん知りたいこと」のメッセージのいくつかを紹介します ● いつになったら元の家に戻れますか (小5) ● いつになったら遊具でみんなと遊べますか (小3) ● ほんとのことが知りたい (中1) ● 20km内の動物の命はどうなりますか (小5) ● 今度、津波や地震が来ても大丈夫なの ● いつ友達が安全に帰ってこれますか (小5) ● ここに住んでいてほんとに大丈夫なの (小5) ● 東電と保安院がついたウソの数 ● 心がひとつにまとまる方法 ● 将来、子どもが産めますか (中3) ● 地球はどのくらいまで持ちますか ● なぜ私たちは悪いことをしてないのに、 同じ日本国民からまでも死の街などと呼ばれなくてはいけないんですか (中3女子) 「どんな未来にしたいですか」メッセージのいくつかを紹介します ◎ 希望の持てる暮らし (小6) ◎ 一人ひとりの願う幸福が実現可能な未来 ◎ みんなで前のように平和に暮らしたい (中1男子) ◎ 笑顔が絶えないまち ◎ 人と自然が共存しあって自然の大切さを忘れずに、 人間一人ひとりが自然を愛する心を持った未来 (中3女子) ◎ 放射能を気にせず快適に暮らせるまち (小5男子) ◎ 自然エネルギーだけで生きていける未来 (小6女子) ◎ 子供の可能性を伸ばせる社会 ◎ 人と人が互いを思い会える世の中になって欲しい ◎ 前よりも良い街になって、世界をリードできるように これらの想いをまとめて「南相馬からのメッセージ」として、6月に開催される地球サミットに届ける予定です。 ----------------------------------------- □5つのテーマに沿った多彩な対話のプログラム 【楽しむ】■対話:移住者:武藤 与志則の“方言教えて!” 18日16:00~17:30 ■対話:柳美里さんとの対話で作るワークショップ 18日17:30~ 【つながる】 ■社協職員との対話 19日13:00~14:30 【育む】 ■対話:お母さん会議 18日18:00~19:30 ■対話:お父さん会議 19日14:00~15:30 【食べる】 ■対話:自然に根ざした『医・農・智』の食 18日16:00~17:30 【暮らす】 ■対話:2030年の暮らし 18日14:00~15:30 ■対話:福島から始めるエネルギー革命 19日16:00~17:30 ■対話:暮らしの安全安心 19日10:00~11:30 15:00~16:30 この中から、いくつかの対話をご紹介します。 「暮らす」 ■2030年の暮らし (趣旨) 震災・津波・原発事故・放射能影響により、これまでの生活を無理やり変えられてしまった南相馬市。生きることの意味、家族やコミュニティのあり方、食料・エネルギー・・・いろいろなことを深く考えざるを得ない状況での気づきを踏まえて、未来の暮しのあり方を皆で考えていきます。
(進め方) 南相馬の歴史や文化などの過去を踏まえ、震災後の現在、そして20年後の将来を見据えたこれからの社会のありようを、子どもワークショップからの提案も含めて皆で考えます。 ①「2030年の暮らしを考える」 ◎ 現在の生活は地球の容量を大きく超えている ◎ 現在のような「人の慾」をベースとして、「豊かな暮らし」と「地球環境問題」を両立させようとしても無理がある。
資料提供:東北大学大学院 環境科学研究科 石田研究室
③「震災から学ぶ未来の暮らし」 ・これまでいろんな活動をしてきたが、 みんな、何とかしたいという想いは一緒 ・自分たちが視野を広くして考えていくことが大切 ・若い人たちの意見を拾って情報発信、街づくりに 活かしていきたい。 (えらい人の意見で動いていくのではないと思う) ・地元の郷土のものを今一度見直すところから 新たな発見があると思う。 ・自分たちが考えて、南相馬ブランドになるものを つくらないと、この街の将来はない ・そのためには、皆が対話をすることが必要 ・そこで、この「南相馬ダイアログ」を始めた ・ここから世界に情報を発信していきたい ④「子どもワークショップ」からの発表 ・2030年には電気をつくるエネルギーが足りなくなるので、それを乗り越えることを考えました ~電気をつけずに、外で星空をみて過ごす ~クーラーを使わなくても、涼しくなる方法 ~山の上に風力発電や太陽光発電をつけるなど、別な発電の方法を考える ~暗くなったら、さっさと寝る ~ソーラーパネルを各家庭に義務化して、そのお金を国が補償すればよい ~日本は国土面積が小さいので、空中風力発電を考えたら良い つづいて、これからの暮らしをどう考えるかという対話をしました。 ・・・時間が足りなかったので、十分な議論には至りませんでしたが、20年先を考えるうえでの視点や、エネルギーに依存しない生活、心豊かに暮らす方法などの話に花が咲きました。 また、このような場を継続することが大切という意見も出ました。 対話の様子 東北大須藤祐子先生とファシリテーター赤塚さん、浦山さん Japan Voices ~対話を通して得られた気づき~ ◎ 故郷に伝わったかけがえのない良き文化を絶やすことなく、次の世代に残していきたい。 ◎ 地方都市の新しい形を。今までどこにも見たことのない産業や街が出来ていく。 ◎ 自分の周りをもう一度見直し、出来る事から前に向かって進んで行く。 ◎ 古き良きモノを取り入れ新しい時代を作りましょう! ◎ 南相馬が体験した災害とは人類の文明が犯してしまった災害と認識します。 ◎ この経験を日本人全体、人類全体の経験として南相馬から新しい豊かさ、新しい生き方を 発信できたなら若者、子ども達につながると思う。 ◎ 全ての人々が生きがいを持って生きていける社会のシステムを構築する
◎ 原発はもう要らない。世界に輸出できるエネルギーをつくろう。 ◎ 農地や使っていない土地を利用して、再生可能エネルギーの発電所を増やし売電収入を地元に還元する。 ◎ 先駆的老人社会の創出。 ◎ コミュニティ構築。みんなが集まれる場を提供する。 ◎ 楽しい場、気付きの得られる場、話のできる場、出会いのある場。 ◎ 南相馬にあった旧来の村や町の人間関係と対話による人間関係により作られた新しい町を見てみたい。 ◎ 世界の70億人の安全安心の食の平等な分配。 ◎ 食べ物がいのちと直結しています。 汚染された大地を再生して健康を取り戻したい。 ◎ いつまでも明るい笑顔で幸せになってほしい。 ◎ こどもの笑顔を次世代へつなげていける未来に。 ◎ 家族みんなが太陽、空の下で笑顔でいれる温かい未来。 ◎ 人は決して1人じゃない!周りの人に助けを求められる未来。 ◎ 南相馬に住んでよかったと将来はっきり言える町にしていこう! ◎ 子どもたちがのびのび遊べる場をつくろう ◎ もっと女性が声を上げていろんなことに参加していく街 「お父さん会議」「ふくしまから始めるエネルギー革命」 「加藤登紀子さんと桜井市長との対話」他のレポートは 次をご覧ください。 ⇒ 【042】南相馬ダイアログフェスティバル②
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