11月27日(日) 「南相馬市復興シンポジウム」が開催されました。 場所は原町区の市民会館”ゆめはっと”。 数百人の聴衆の皆さんが参加しました。 (年配の方が多く、若い人は少なかったです) 傍聴しましたので、レポートさせていただきます。 1.桜井市長挨拶 ・子どもを安心して育てられる市にしたい ・心をひとつにして世界に誇る南相馬市を再興したい 2.山川充夫氏 講演 (福島大副学長) ・復興計画づくりは、「民」の自主性、内発性を重視して進めてきた ・新しい公共としての公設民営方式 ・産官学による協働・連携の促進がたいせつ ・子どもが帰ってこれる帰ってきたいと思える環境づくりが重要 ・対話、コミュニケーションしながら煮詰めて行きたい 3.藻谷浩介氏 講演 (日本投資銀行参事役) ・今度は全住民が奮起する時である。(役所が何とかしろ・・・ではない) ・被害者意識を持ち続けるよりも、経済や除染に関しては前向きに 「復興に手を貸してくれ」と訴え続け、率先していくことが大切 ・20年間で起きる変化が2週間で起きてしまった。 (2030年の人口減少/高齢社会化が目の前に来た。) ⇒いかにひどい変化かが目に見えて分かる。 ・日本の多くの人たちは、人口動態変化の問題を認識していない。 ⇒タイムスリップした南相馬のメリットは 問題を何とかしようと思えること ・前向きに頑張ってるというメッセージを発信したら良い ~良心的なマスコミで情報を流そう ~人口減少を逆手にとろう ---------------------------------------------- 4.パネルディスカッション ◎ 赤坂憲雄氏 (学習院大学教授) ・子どもたちがここで元気に育っていく環境をつくることが大切 ~子どもたちを守るために安全安心な環境を取り戻す ~手厚い医療的な支援ができること ・「子どもたちの未来のために」という想いを持つことが復興には重要 ◎ 上昌弘氏 (東大医科学研) ・医療が届かない問題がある ~もともと福島県は医師数が少ない。 浜通りは特に少なかったのに、震災後さらに減少した ~綺麗なグランドデザインを描いてもうまく行かない。 ⇒具体的に取り組むところから人が育つし、改善されていく。 ・相馬/南相馬、職業ごと、地域ごとが統一されていずバラバラ ~個別の問題に一つひとつ対応できることが必要である ・放射能の問題は内部被曝 ~食材、食料のチェック体制を整えること ~ホールボディカウンターを南相馬市に10台置く。 市民病院がデータを持っているので活かすべき。 ・除染の取組みの強化がいる ~ゼネコン主導でなく、地元中心にやるべきと思う ~今は山からという方針だが、妊婦から、学校から、・・・というような議論の場がいる ◎玄侑宗久氏 (福聚寺住職) ・放射能に関して県内で悲劇的なのは 「一生懸命測っている農家」と「子どもを守りたいお母さん」との対立構造 ~「ND」という結果が出ても食べない、買わない。 ・セシウムを気にするが、もともと食物には放射性カリウムが含まれる ~体には欠かせないカリウムの中に、0.011%の放射性カリウムが入ってる ~米には 30Bq 昆布に2000Bq ~お茶がセシウム 100Bqの時に、カリウムは350Bq ~体重60kgの人なら、 放射性カリウムが約4000Bq体内にある ・正しく放射能の認識をすることが大切 ◎ 中村勉氏 (建築家・工学院大学教授) ・コミュニティの再生 ~人のために分かち合う という気持ちが大切 ~水俣の「もやいなおし」を参考に ◎ 藻谷浩介氏 ・ここには「役所の職員が手弁当でやっている」が感じられず、規則通りにやっている感がある ・市長がやれといっても、下が動かない ・住民と市民とが重なっていない ◎赤坂憲雄氏 ・普通の人が声を上げること ・究極の状況のなかで、南相馬市も確実に変わっている ~100年前の自由民権運動が危機の中で生まれ続けている。 ◎ 田中章広氏 (原町青年会議所理事長) ① コミュニティの最小単位である「家族」を守ることが大切 ・だが放射能に関しては散発的な意見で混乱する ⇒ 知見を纏めて提供するようにしてほしい ・医療、介護、福祉の安心安全が確立できていない ②雇用の確保が必須である ・66%が事業を再開したが、収入が半減 ~貯金を切り崩しながら何とかタイトロープで繋いでいるの現状 ~避難が1年はともかく、5年、10年は持たない ・企業、自治体だけでは無理がある ⇒国/県/市と民間も一緒にやる必要がある ★最悪の状態を想定し、最善を尽くしていくことが重要 ◎ 桜井市長 ・心ひとつに南相馬を再興する ~今、南相馬に居る人も、外に居る人も ~小高も、原町も、鹿島も ~行政も市民も一緒になって ・たいへんな状況にあって、課題も多い ~行政の人たちも疲れている。 心が病んでしまう ★市民の知恵、外部の知恵を結集して取り組んでいきたい ------------------------------------------------- 参加者の感想は、 ◎ 復興に向けての想いを共有できたので良かった ・ いろんな考え方を知ることができた ・ 藻谷さんの意見は参考になった ・ 市もそれなりに取組んでいることが分かった ・ 心ひとつに再興するという気持ちが大切だと思う ◎ 外部識者の意見は、しょせん外の意見と感じた ・しょせん市民のたいへんさを分かっていない ・一般論や概念論で、解決策が見えない ◎ 具体的な復興に向けた取組みが知りたかった ・この先が正念場。どうやっていくのかが知りたい ・目の前の課題である「除染」をどうするのかを明らかにしてほしい ・田中さんが述べた2つのテーマが、南相馬の抱える最大の課題 ・ここからがスタートという感じがした ということでした。 市の復興計画はどんどん進めていただくとして、 これと並行して、市民の視点での復興、未来の街づくりへの想いを共有する場をつくっていきます。 ⇒ 「南相馬 未来へのダイアローグ 」をご覧ください。 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ |
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