9月19日、『ふくしま復興フォラーム2』を開催しました。 会場の総評会館には、約150名の参加者が集まりました。 午前中は【ワールドカフェ】 「復興支援のネットワークを拡げるには」 鴻巣さんのプレゼンテーション 伊藤さんのファシリテーションでワールドカフェ ここでは、次のような意見が出されました。
〇 ニーズは地域によって変わるので、それぞれに合った復興計画をサポートすることが必要。
〇 そのためにも現地に行って、肌で感じ考えることが大切
〇 放射能は見えない恐怖なので、見える化が必要
〇 特に子供の健康不安に対する多様な支援が求められる
〇 心の復興が大切・・・心が前向きにならないと先に進めない
続いて、【支援NPO等からのメッセージ】
馬場照子氏(コミュニティカフェレストラン亘理いちごっこ代表)、岩渕美智子氏(首都大学東京(OU)講師)、小澤真人氏(デジタル・ストーリーテリング研究所代表)等から、復興に向けた考え方や取組みの紹介がありました。
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筒井副大臣からは、
● 震災からの復興は政府、農水省としても最大の課題である。
これを加速して進めるために、ワンストップでいろんな手続きが できるようにしていく。 ● 一番の問題は福島県を中心としたセシウムの除染。
農地は5センチほど表面の土壌をはぎ取るという物理的手法が効果的。 ● 再生可能エネルギーがキーとなる。
木質系のガレキを処理する施設をつくり、これを活かして 木質チップを利用していきたい。 農山漁村は総発電量の43%をカバーするポテンシャルを持っている。 というようなお話がありました。 続いて、第1部 【現地報告】: 〇澤田精一 氏(南相馬市農業委員会事務局次長、連合福島相双地区議長)、
〇箱崎亮三 氏(NPO法人実践街づくり理事長)、 〇鴻巣将樹 氏(南相馬桜援隊代表)、 〇中山弘 氏(東北コミュニティの未来・志縁プロジェクト共同代表)から、 南相馬市の状況・課題と復旧・復興に向けた取組みの話がありました。
特に放射能への不安が住民の最大の関心事であり、「除染なくして復興なし」。 そのためには、住民と行政が一体となった取組みや、専門家の知見を共有しながら、 除染活動に反映していくことの重要性が示されました。 南相馬市はフクシマが抱えている課題の縮図である。 ここで「除染・復興モデル」を確立し、福島県や世界に発信していきたい。 という提案がありました。
⇒プレゼン資料pdf. 「協働で取り組む復興」 第2部 【基調報告】
桜井勝延氏(南相馬市長)から「南相馬から訴える」というテーマで、南相馬の3月11日以来、これまで南相馬市がどんな形で変化してきていて、今後、復旧・復興に向けてなにが必要なのかをあらためて皆で考えたいという趣旨のお話がありました。
・これまでに経験したことのない激しい地震の後、大津波に襲われ多くの知人、友人が波のなかに呑みこまれていった。
言葉では言い尽くせない焦燥感と悲壮感。今でも同じ状況にある。 ・3月12日に警察無線で原発が爆発したという情報があったが、確認したらそういう事実はないという報告を受けた。
市民7万1千人のうち6万人近くが避難したが、南相馬市には正確な情報はほとんど入らなかった。 ・3.11以前に、原子力防災計画を作ろうとしたが、住民の不安を煽るという理由で国は作らせてもらえなかった。
・国からの連絡があったのは3月17日だった。国の指示は屋内退避だったが、市民は自主判断で避難をしていった。結果的にどこへどう逃げたら良いのか、どのような方法で逃げるかまったく分からなかった。 まして、SPEEDIのような報告もなく、浪江や飯舘の高線量の地域に避難した人もいた。 新潟県、杉並区、群馬県、いろんな自治体が協力してくれた。 ・南相馬市は警戒区域、緊急時避難準備区域、計画的避難区域、特定避難勧奨地点、なんでもない地域の
5つの地域に分かれている。それぞれの地域により対応が異なるので、住民の人たちの心はバラバラになっている。 ・原発事故の後にマスコミが居なくなった。逃げたマスコミのおかげで南相馬市の実態がまったく伝わらなくなった。
ところが、7月初めに南相馬市の肉牛からセシウムが出たら、途端に報道が押し寄せてきた。 住民が戻り始めていた時だったのに、農家タタキをやる、現地自治体タタキをやる。 東電から多額のスポンサー料をもらっているマスコミの責任を感じる。 ・原発というものの存在をしっかり考えることが必要だ。
原発事故一つで南相馬市と伊達市が除染に入っている。巨額の除染費用がかかることになる。 これを東電が出すのかどうか分からないが、国民が多額の負担を強いられる。 ・南相馬市民の命を守るために全力を尽くすが、東電が起こした事故によって多くの住民が運命を変えられてしまった。
避難によって100名以上の方がなくなった。医療、介護施設が崩壊した。
学校が避難を余儀なくされて、20kmの線量の低いところから30km圏外の線量の高いところに子どもたちを通わせているのが実態だ。 ・被災自治体の多くの職員は頑張っている。にも拘わらず、職員が疲労して休職をして辞めていく実態がある。
このような現実を皆が共有することが必要です。オールジャパンでやるべきです。 日本の国力を示すときなのだから、政治が本当に機能して欲しい。 ・多くの市民が立ち上がっている。この経験を共有して日本をもっと素晴らしい国していくために皆で協力してやっていきたい。 第一部、第二部の録画は以下のUストをご覧ください。 桜井南相馬市長の基調報告は (1:17:20- 1:47:00)です 第3部 【パネルディスカッション】
稲葉光圀氏(NPO法人民間稲作研究所理事長)、逢見直人氏(日本労働組合連合会副事務局長)、稲見哲男氏(民主党震災対策本部福島県対策室長)のお話の後、山田厚史(AERA編集部、元朝日新聞編集委員)をコーディネーターとして、桜井市長、長谷川部長、澤田次長、箱崎理事長を交えて、討論が繰り広げられました。
コーディテーターの山田厚史さん ここでは次のような意見が出されました。
・復興に向けてはもっと地方自治体に任せたほうが良い。
除染、土地利用、医療、その他、地元が考えて取り組むのが良い。 現場に必要な金は直接、国が自治体に金を渡すのが良い。 また、除染や復興施策が地元の雇用に結びつくことが大切である。 ・地域主権を進める良い機会であるとも言える。
障害となる法律を是正しながら取り組んでいく。政治家の責任で受け入れる。 ・心の被災が進行している。南相馬の多くの農家は作付できずに意欲を失っている。仮設の人たちは孤独で問題も多い。
・現場で住民が主役となり、自立していくことが大切。それを国や県がカバーするようにしたい。
・東京の人たちにも、被災者の健康、被災地の物品の購入、働く場づくりなど多様な方法で支援を継続することを期待する。
パネルディスカッションは以下のUストでご覧いただけます。 ■ 稲見 福島対策室長(26:50- 38:10) ■ 山田厚史 コーディネーターによるパネル討論(38:10- 59:00) ■ 会場との意見交換 (59:00-1:30:40) 第3部 パネルディスカッション 会場との意見交換 質問する「亘理いちごっこ」代表 馬場照子さん 午前中のワールドカフェに続いて、午後の現場報告、基調報告、パネルディスカッションと、
もりだくさんのメニューでしたが、南相馬の状況を深く知ることができましたし、
その課題とこれからの取組みの方向性についてもいろいろと示唆に富むものがありました。
今後の活動に繋げていきたいと思います。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■□■□■□■□■□■■□■□■□■□■□■■□■□■□■□■□■■□■□■□■□■□■■□■□■□■□■□■ |
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