【026】亘理いちごっこ訪問

2011/09/21 5:24 に Hiroshi Nakayama が投稿   [ 2011/10/15 15:58 に更新しました ]

9月11日(日)に、コミュニティ・カフェ・レストラン「亘理いちごっこ」を訪問しました。
亘理いちごっこは、前にもご紹介していますが、宮城県亘理町のコミュニティースペースです。

亘理いちごっこ

被災された方やボランティアの方には無料でお食事を提供するとともに、図書コーナーや支援物資コーナー、それに「お話聞き隊」による傾聴、その他、いろんな活動をしています。

今のところ、火、木、土、日がオープン日で、
時間は11:00~19:00です。

現在の場所は20坪の建物のなかの、24畳の広いお座敷が飲食スペースです。

 たくさんの人が訪れています。                  一緒に訪問した岩渕美智子さんと、いちごっこ馬場照子さん



■ 馬場さんのお話
 ◎ 行政がケアできないところを面倒をみるのが役割だと考えています。
   ・ いろんな相談を受けています。(住まい、支援制度、介護ケアなどなど)
   ・ 家族のような気持ちで困りごとに応じる
   ・ 寄り添う気持ちが大切です。
   ・ 仮設住宅に入らずに、知人宅やアパートなどに入っている人が行政サービスから洩れがち

 ◎ お話聞き隊で聞いたことをどう伝えるかが難しいところです。
   ・ 行政にとって、うるさいと思うか、頼りになると思うかは微妙なところ
   ・ 信頼関係をどう築けるかがポイント
   ・ 住民と行政を繋げるような役割にできたら良いと思う。


  支援物資のご自由にお持ちくださいコーナー          図書スペース: 児童書、辞書など、多彩です



◎ 今後に向けて、新拠点を計画中

   ・ 仮設住宅に、店舗や食堂ができるのをきっかけに、新たな拠点をつくりたい
   ・ 建築関係の学生ボランティアたちが考えてくれている

 新いちごっこ コンセプトとパース                     新いちごっこ レイアウト模型


◎ これからは、自立に繋がる支援が大切

  必要迫られる『循環型支援』

  ・お金の循環
   ~自分自身が食事をしつつ、次の食事提供の資金に活かされる
   ~全国からの支援物資や支援金
   ~食事による「志」

  ・「こころ」の循環
   ~ 差し出しただけで終わらない
   ~ 顔の見える関係
   ~ 一方通行ではなく双方向
   ~ 支援された側が支援する側に回る

このような支援のカタチを実現するために
わたりモール~公共ゾーンお買いもの天国~ 開催

Ⅰ、主旨・目的 
   地域住民のやる気を気持ちよく引き出せる環境を設定し、住民の交流の場とするとともに、
   支援物資確保の機会均等化を図る。そして更に、支援の輪を循環継続したものとしていく。

 Ⅱ、これまでの課題
   支援物資の多くは、支援者と被支援者とが心を通わせるものではなかった。
   支援物資が送られ、バーゲンのワゴンのようになくなっていく支援物資。
   たくさんのものをなくされた方々にとって、それは必要なことであり、非難されることでもない。

   しかし、そこには課題が二つあると考える。
   一つは機会の不均衡、
    支援物資が集まる場所とそうではない場所、その情報を得た人と知らずにいる人、
    我先にと必要なものに手が届く人とゆっくりと対応する人・・・。
    様々な要因が絡み、同じように支援物資を受けられない。

   もう一つは支援の一方通行性
    今までの支援は物資がただ送られてくるというケースが多かった。
    ここには支援者と被支援者の顔を合わせる機会もなければ心の交流も存在していない。
    被災地のためを思って一生懸命集めてくださったものも送って終わり。
    どんなにありがたい思いで受け取っても手に入れて終わり。
    そこには物が介在するのみであり、物のやり取りが終わればすべて終わってしまうのである。
    炊き出しについても同様なことがいえるケースが多い。

    ものだけが一方通行している支援のあり方は、事象だけを追っているため一過性となってしまう可能性が高い。
    そしてそれは時が経っていくにつれ風化していってしまうのである。
    現実にこの震災被害は、遠近に関わらず風化が進んでいる。
    これだけの甚大な被害を、東北に住むものだけで復興していくことは困難である。
    国中の或いは世界中の助けをいただいて復興を果たしていかなければならない。
    そのためには支援を一過性のものではなく、循環した支援にしていかなければと考える。

    これら二つの課題を打開すべく、「わたりもーる(公共ゾーンお買い物天国)」を立案した。

  Ⅲ、方  法
    少しずつ笑顔がよみがえってきた住民の方たちが主体となり、ボランティアの方たちがサポートしていく。
    全戸配布できない支援物資の配布、必要な人に必要なだけ届く方法を次のように挙げる。
    支援物資を全国発信し集める。
    各ブースを住民の方たちに受け持っていただく。ボランティアの方がサポートに入る。
    可能な限り、支援物資を提供くださる方にもスタッフとして参加していただく。

    事前に周知チラシを全戸に配布する(今回は公共ゾーンに配布)。
    チラシの半分をお買い物チケットとする(その場で使用可能な金券)。
    お買い物はすべてチケットで行う。
    時間を決めて(例えば13:30など)、配布チケット以上に買い物したい方のために、
    インフォーメーションでチケットを現金で販売する。

    集会所に集まり、手作り品を有志で製作する。材料を支援物資で集め、地域の交流のチャンスにしていく。
    集まった売上金、支援金は公共ゾーン内の運営費に当てる。
    公共ゾーン仮設住宅は三つのエリアに分かれる。
    売り上げ、支援金等を世帯数に応じてエリアごとに分ける。
    自治組織が出来上がっているエリアに関してはその場でお渡しし、
    未結成のエリアにおいてはいちごっこにて自治組織結成されるまでお預かりする。
    今後、公共ゾーン近くに仮設店舗がオープンする。
    集まった支援者たちと、仮設店舗オーナーとをつなげていく。


 ということで、わたりもーる~お買いもの天国~ を11月6日に開催します。

支援物資提供(持ってきていただける方 大歓迎)
支援金、協賛企業、団体を募っています。

詳細は以下をご覧ください。


⇒ わたりモール~公共ゾーンお買いもの天国~

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9月12日は、馬場さん、馬場さんのお嬢さんが、相馬、南相馬との連携のために、
相馬の和みサロン「眞こころ」と、南相馬市情報ステーション「桜風」を訪問。

カフェの開き方や、情報コーナーの作り方、傾聴の方法など、いろんな話題で盛り上がりました。
協働のネットワークがつながりそうです。


 ◆サイヤ隣の「南相馬市情報ステーション『桜風』にて
  馬場さんのお嬢さん 馬場さん  西野さん  岩渕さん


初めてフクシマに来たという馬場さんのお嬢さんは、原発や放射能についてあらためて考えるようになったと言ってました。
・・・まさしく、百聞は一見に如かずです。これからの活動に期待しています。

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皆が気持ちよく暮らせる街にしていきたいという「志」の「縁」のツナガリが拡がって行く予感がします。

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