【014】相馬・南相馬・飯舘レポート(1)

2011/07/28 6:52 に Hiroshi Nakayama が投稿   [ 2011/07/30 19:54 に Hiroshi Nakayama さんが更新しました ]
7月22日~25日、相馬・南相馬・飯舘での活動レポートです。

■ 相馬野馬追

震災の影響で一時は開催が危ぶまれていた『相馬野馬追』が催されました。
甲冑競馬、神旗争奪戦、などの行事はできませんでしたが、「出陣式」「騎馬行列」「神事」などが執り行われ、たくさんの人たちが参加しました。
震災により犠牲となられた方への鎮魂を兼ねた催しでしたし、例年は500騎ほどが集まる馬も今年は約80騎でしたが、
1000年以上続く伝統ある文化的行事が人々の絆を深め、復興への想いを新たにされたのではないかと感じました。


◎ 23日朝、相馬・中村神社の出陣式

◎ お行列  例年より馬の数は少なかったそうですが、それでもとても勇壮でした!!

◎ 24日 例大祭斎行(太田神社)               ◎25日神事(多珂神社)                            


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 相馬の女性たちの働く場をつくる

◎ 津波で流された縫製工場の再生
 ・8月初めから新たな場所で再スタート
 ・ミシン2台は入手したが、まだ十分とは言えない。
  ⇒ロックミシンが欲しい
 ・相馬ブランドのようなものをつくっていきたい!!
  風評被害にも負けない強いブランドを目指したい。
  ボランティアで協力してくれるデザイナーを探したい。


※ ミシンの業界紙「ミシンタイムズ」にも紹介されました。 







「当地は復興ということでは具体的に進展しているが、
 今後必要なことは雇用であると思う。」


 相馬における被災者女性を支援することでの具体的
な試みは動き出したけれども、まだまだこれから。
 先ずはミシンの確保、仕事の確保、開拓だ。
国や県の支援を最大限に利用しながら臨んでいきたい。
全てが流されてしまった縫製熟練工の安部さん自らも
立ち上がらなければならないという強い決意をお持ちですし、
雇用を創出するために教育もしたいと奮闘されています。


是非皆様のご理解とご協力をお願いします」







◎ ミラクルキャップの普及と販路開拓


 ・ファッションとして市場に浸透するようなプログラムを考える

  ⇒ NPO「地域の力」(申請中)が中心となってプロジェクトプランを考えて、展開していく

 ・食べ物系のチェーン店で採用してもらえると良い。

 ・和物でつくれば、外人にも喜ばれる

 ・ファッションショーなども開いて広めていきたい

 ・自分の着物を加工してもらう方法もある

ヘアバンドにもキャップにもなります。                下のようなタイプもあります                   


※ H23年度(今年)の発明大賞も受賞しました(表彰式は地震直後で電車不通のため欠席)

   



◎ 基本的な考え方


 ・目先の雇用の創出にとどまらず、意欲や希望を持てる場に高めて行きたい。

 ・技術はあっても売り込めない。

 ・いろんな可能性を考えて、幅広い人たちの共感を得るように活動していく。

    点から線に! 線から面に!!
 ★皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

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南相馬市の祭り

◎ 23日 まちなか広場での夏祭り

 ・普通の年なら「野馬追」で盛り上がるこの時期に、「子どもたちや街の人々が何のお祭りもないのは淋しい!」
  実行委員会ができて、『復興夏祭り』が開かれました。
 ・「南相馬桜援隊」や「福好再見」のグループも参加しました。

 昼間のライブステージでは素敵な歌が              夜にはヤグラの周りで「相馬盆踊り」が
 

  地元出身のシンガーソングライターの歌声が心に沁みました。
  盆踊りは「相馬盆踊り」だけを踊るんですね!! (私の田舎は  ”何でもあり” です)

◎ 24日 原町二中「ありがとう祭り」
 ボランティアの人たちへの感謝の気持ちと、被災された人たちの復興へのきっかけづくりという
 二つの想いから、原町二中の校庭で、いろんなイベントが開かれました。

  元気な「よさこい踊り」                         燈籠を並べて「絆」の文字が・・・  







 










手作り感のある「お祭り」で、南相馬の人たちの暖かい気持ちと、復興へ向けた想いが伝わってきました!!

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 ■ 南相馬市の現状と課題

◎ 商工会関係者の方のお話を伺いました。

 ・市の復興プランを作成している
 ・市の関係者だけでなく、外部の有識者も一緒に考えている
 ・事業者の意見が多く、市民生活者の対話の場が少ない感もある
 ・他の被災地と比べて、原発の影響が大きく異なっている。
 ・
 ・放射能の影響で企業が出て行ったり、取引を止めたりするのが痛手となっている
 ・流通網が失われて、輸送費の負担も大きいし時間もかかる。
 ・道路網の整備が必要。
 ・
 ・お母さんたちは放射能が不安でしょうがない。
 ・お母さんたちにとって魅力のある復興計画になることが大切
 ・子どもの視点も必要だと思う
 ・避難しているお母さんたちがどうしたら帰ってもらえるか、お母さんの考える街づくりが必要
 ・
 ・課題は大きくは二つ
  ① 避難所・仮設の人たちの生活の確保と補償
  ② 働く場の確保


◎ 市議会関係者の方のお話を伺いました

 ・放射能の避難区分が南相馬は5つに分かれており、それぞれに対応が異なるので市が一つになりにくい。
 ・市民は半分しかいない。 放射能で若い世代が帰ってこない
 ・南相馬は四ヶ月経っても元気が出ず、前向きになっていない。
 ・震災ビジョンづくりは、こういう環境の中でなかなか見えてこない。
 ・
 ・いわきまで震災前は1時間だったのが、今は3~4時間かかる。
  南にはいけないし、西の飯舘村も全村避難。北にしかルートがなく陸の孤島状態。
 ・将来、常磐道のルートが確保できるかどうかは大きな課題
 ・
 ・若い人やお母さんは放射能に不安を感じている人が多い
 ・ホットスポットもあるし、ほんとうに大丈夫かという思いがある。
 ・感情的になっている人もいる。
 ・放射能と上手に付き合うしかないが、その案配がとても難しい
 ・
 ・除染をやらないといけないが、汚染物質をどこへ持っていくかが問題。
 ・緊急時避難準備地域の解除のl声があるが、病院、学校、保育所、
  幼稚園などの準備ができないと解除するのも難しい。
 ・農地除染は規模が大きく難しい。。。


◎若者の意見を伺いました

 ・この街で出産しても大丈夫と思える街にしたい!!
 ・
 ・7月12日に市から「避難をやめて戻ってきなさい」との通達が出たが、
  放射能の心配が解消されないのに、戻れるのかという疑問がある
 ・緊急時避難準備地域を解消するという話もあるが、
  なんで外すのか、こうすれば安全ですがない。
 ・
 ・子どもが外で遊べない。 暗いムードになる。
 ・祭りの子どもたちは楽しそうだし、これをみていると放射能のことを忘れるけど、
  ほんとに大丈夫なの?と思ってしまう。
 ・放射線のバッジや計測器を付けながらの生活が良いんだろうか?
 ・
 ・子どもたちが笑顔で暮らせる街にしたい
 ・子どもたちや若者の意見を、街づくりに活かせたら良い

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なお、8月から南相馬で「移動カフェ」を始めます。
ご期待ください


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【参考】 南相馬市の行政としての復興計画づくりは現在、次のように進んでいます。


⇒ 行政側で進めている復興ビジョンづくりに対して、草の根の市民の想いをどう反映していくか・・・
  これからの課題だと思います。